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タオ(道)老子の哲学4

2019-12-17

「清々しい静けさ、それだけがこの世のくるいを直すんだ」すでに2500年前に老子は言っている。それは自然でいえば朝日が昇る前のあの全き静けさだ。

いまの私たちの暮らしは騒々しい。人間同士のやり取り、TV、車、スマホ等々。心が留まる暇がない。社会や世界のことよりも、まずは一人ひとりの心が静かになること。

世の中に革命を起こしたかったら、まずあなたが自分のなかで革命を起こしなさい、世のくるいを直したいのであれば、あなた自身の心のくるいを直しなさい。

個人が直ることによって、他人が直っていくのです。現代はともすると他人のくるいを直そうとする人間が多い。それが争いをうむ原因ともなる。

まず、自身の心に静けさを持つこと。瞑想や禅の修行が古くから脈々と続けられているのは意外と心を静謐(せいしつ)にすることが難しいからだ。

しかし、我を捨て、我を忘れて、タオ(道)に目覚めることによってのみ、その静けさに気づくことができる。

人間の心は外に向きやすく、自身の内に向き難(にく)い。そのように心を外に向けながら自身の心の虚しさを嘆く、不思議だ。

モノを買い、地位や財産を誇り、他の人をそれらで使い欲望を満たす。人の心の虚しさは外の世界や他人の力よって埋めることができないものだ。

「老子」は争わないためには、どのように在ればよいのかを説く。
加島祥造箸「タオ・老子」から、老子全81章のなかから、再びいくつか紹介したい。

【タオ/老子】 加島祥造箸より

第二十六章 静かに養われた「根っこ」

タオの人が大地に従うとは、
まず、根っこになることなんだよ。
根は土にしっかり張って
軽いものを支えている。
その静けさがつねに
たえずざわつく動きを
コントロールするのだ。

だからタオにつながる人は
長い旅ではいつも
自分を養う荷物をそばにおく。
どんなに景色のいい所に来たって
景色に見とれて騒いだりしない。

もし君が人の上に立つリーダーなのに
みんなの軽々しい騒ぎに加わったら
君の立場の根元が
ぐらついちまうだろう。
ほんとのエナジーというのは
静かに養われた根から出るんだよ。

第四十三章 人はなかなか気づかない

固くて強いものが
世の中を支配しているようにみえるがね
本当は
いちばん柔らかいなものが、
いちばん固いものを打ち砕き、
こなごなにするんだよ。
空気や水のするように、
タオの働きは、隙のない固いものに
滲みこんでゆき、
いつしかそれを砕いてしまう。

何んにもしないようにみえるが
じつは大きな役をしているのだ。
このように、目に見えない静かな働きは
何もしないようでいて深く役立っている。
これは、この世ではなかなか
人に気づかれないんだが、
比べようもなく
尊いものなのだよ。

第四十四章 もっとずっと大切なもの

君はどっちが大切かね―
地位や評判かね、
それとも自分の身体かね?
収入や財産を守るためには
自分の身体をこわしてもかまわないかね?
何を取るのが得で
何を失うのが損か、本当に
よく考えたことがあるかね?

名声やお金にこだわりすぎたら
もっとずっと大切なものを失う。
物を無理してため込んだりしたら、
とても大きなものを亡くすんだよ。

なにを失い、なにを亡くすかだって?
静けさと平和さ。
このふたつを得るには、
いま自分の持つものに満足することさ。
人に何かを求めないだ、これで
まあ充分だと思う人は
ゆったり世の中を眺めて、
自分の人生を
長く保ってゆけるのさ。

「タオ・老子」加島祥造箸から引用



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