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タオ(道)老子の哲学1

2019-11-09

現実主義の傾向が強い中国人は、実際的な知識から離れないため、哲学、形而上学の形で表現するものは老子まで存在しなかった。論理的であることを求める西洋哲学の立場としては、それを認めることはあるまいが、老子は東洋における一つの哲学である。

老子はこれを読む人によって、そのイメージを変える不思議なメッセージが込められている書である。全部で五千字ほどの文章で書かれている『老子』原稿用紙にすれば13枚ほどしかない。それは哲学的であり、詩的であり、言葉は簡潔でありながら文字と文字のあいだに込められたメッセージは深淵である。

日本における仏教の禅宗とは釈迦の教えではなく、まさに老子、荘子であると指摘されることがある。面白いことに「老人は西に旅し、やがてインドの地で釈迦になった」という物語もある。それは老子と釈迦の根本哲学、思想、覚りはそれほどに類似しているという事実を示している。

『老子』のタオ=道とは、私たちの生命に法則的に働きかけるものである。私たちは科学こそ真実であると信じているところがあります。しかし、老子は、そういった思考法では認知がし難い「道」を示し、人のありようを明かしています。「宇宙のなかで地球は法則的に運行し、人もまた宇宙のなかの生命体として法則的に生きるのだ」と老子は言います。

さて、『老子』の第一章「道」/タオについて二人の訳者の文章を読んで道/タオの世界を感じていただこう。

【タオ/老子】 加島祥造箸より

道=名のない領域

これが道だと口で言ったからって
それは本当の道じゃないんだ。
これがタオだと名づけたって
それは本当の道(タオ)じゃないんだ。
なぜってそれを道(タオ)だと言ったり
名づけたりするずっと以前から
名のない道(タオ)の領域が
はるかにひろがっていたんだ。

まずはじめに
名の無い領域があった。
その名の無い領域から
天と地が生まれた。
天と地のあいだから
数知れぬ名前が生まれた。
だから天と地は
名の有るすべてのものの「母」と言える。

ところで
名のあるものには欲がくっつく、そして
欲がくっつけば、ものの表面しか見えない。
無欲になって、はじめて
真のリアリティが見えてくる。

名のある領域と
名の無い領域は、同じ源とから出ている、
名の有ると無いの違いがあるだけなんだ。

名の有る領域の向こうに
名の無い領域が、
はるかに広がっている。
明と暗のまざりあった領域が、
その向こうにも、はるかに広がっている。その向こうにも・・・・
入口には
衆妙の門が立っている、
森羅万象あらゆるもののくぐる門だ。
この神秘の門をくぐるとき、ひとは
本物のLife Forceにつながるのだ

※衆妙の門とは、全てのすぐれた道理の入口のこと

【いのちの道】 丸山瑛士示箸より

1 道

君はどうしてこの世界に生まれ、そしてこうしていきているのか、わかるかい?君はこの世界に生まれて、そして一人で生きていると思っているかもしれないが、本当は生かされているんだよ。
この宇宙、この世界には「いのちの道」と呼べるものがあってね。すべてのいのちは、そこから生まれてきたんだよ。
君を生んでくれたお母さんの、そのまたお母さんとたどっていくと、その果てには君に至った。“いのちの源”にたどりつく、君自身の源にね。それが「道」なんだ・
君はこの「道」によって生まれ、そして今を生きている。
だから、君自身の自分勝手な欲にまかせ、「道」にしたがって生きることを忘れていると、いつか自分を見失ってしまうことになるだろう。
そんな君を「道」は守ろうとはしない。それが「道」の法則なんだよ。
しかしね。人にとって、この「道」というのはよくわからないようにできていて、あると信じるしかないようなものなんだ。
だから、あると信じていれば、君は調和の世界を生きられる。
君の頭のなかに無理やり詰め込まれた、中途半端な知識をいっぺん捨ててみることだね。それができれば、もう君は調和した、いのちの世界の入り口に立ったも同じことさ。
まず君の頭のなかを空っぽにすること。
人のこををうらやんだり、怒ったりしているような、争いのこころではだめなんだ。
あれが欲しい、これが欲しいと欲張ったことを考えてばかりいてもね。
人は限られた時間のなかでしか生きられない。
だから、どうしてもその時代の常識に縛られてしまうものなんだ。そんなふうに、人が勝手につくった常識で物事を決めつけてしまうようなことばかりしていては、何も本当にはわからないのさ。

参考図書 タオ/老子 加島祥造
いのちの道 丸山瑛示



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